サッカー日本代表戦で、本田圭佑の解説を楽しみにしている人は少なくありません。

試合内容はもちろんですが、「三笘さん」「堂安さん」「鎌田さん」といった独特の呼び方が気になった人も多いのではないでしょうか。

実際、本田の解説は「面白い」「中毒性がある」と高く評価されています。

その理由は、サッカー知識の豊富さだけではありません。

選手への敬意が伝わる「さん付け」と、本音全開の本田節が同居していること

 

そこに、多くの視聴者が引き込まれる理由があるようです。

では、なぜ本田圭佑は選手を「さん付け」で呼ぶのか。

ここからは、その背景と解説が支持され続ける理由を一つずつ整理していきましょう。



本田圭佑が選手を「さん付け」で呼ぶ理由

まず注目したいのが、本田なりの価値観です。

結論から言うと、本田が選手をさん付けで呼ぶのは、彼なりの考え方に基づいています。

本田はこれまで、スポーツ界特有の上下関係や体育会系文化に違和感を持っていると語っています。

サッカー界では、後輩を呼び捨てにする文化も珍しくありません。

しかし本田は、後輩であっても一人のプロ選手として敬意を払うべきだという考え方を持っています。

実際にW杯の解説では、次のように一貫してさん付けで呼んでいます。

  • 三笘さん
  • 堂安さん
  • 鎌田さん
  • 伊東さん

初めて聞いた人は、少し不思議に感じるかもしれません。

ただ、その違和感があるからこそ耳に残るんですよね。

元日本代表のエースが後輩を丁寧に呼ぶ。

そのギャップに好感を持った視聴者も少なくありません。

また、本田は長年海外でプレーしてきました。

上下関係よりも個人を尊重する価値観に触れてきた経験が、現在の解説スタイルにも表れているように見えます。

だからこそ、単なる呼び方以上のものとして受け取られているのかもしれません。



久保建英だけ「タケ」呼びになった経緯

ここで気になるのが、例外の存在です。

それが久保建英。

以前は本田も「久保さん」と呼んでいました

ところが久保本人から、

「本田さん、マジで久保さんやめてほしいです」

という趣旨のお願いがあったそうです。

その結果、本田は「タケ」と呼ぶようになりました。

ここが興味深いところなんです。

 

本田は自分のルールを押し通したわけではありません。

相手の希望を尊重して呼び方を変えています。

つまり本田が大切にしているのは、さん付けそのものではないのでしょう。

相手をどう呼ぶかよりも、相手への敬意をどう示すか。

そこに本質があるように見えます。

 

だから同世代の長友佑都は「ユウト」、吉田麻也は「マヤ」と呼びます

親しい関係性や本人の意向を優先する。

その柔軟さも本田らしい特徴と言えそうです。

大事なのは呼び方の形式ではなく、相手への向き合い方。そういうことなんですね。



本田圭佑の解説が面白いと言われる理由

本田の解説が支持される最大の理由は、遠慮のなさにあります。

普通の解説者なら飲み込むような感情も、そのまま言葉にします。

 

  • 「ふざけんなよ」
  • 「審判、お前がイエローや!」
  • 「11番うざいわー」

 

こうした発言がSNSで話題になることも珍しくありません。

ただ、不思議と嫌味には聞こかないんですよね。

なぜなら、感情だけで話しているわけではないからです。

世界のトップレベルで戦ってきた経験があり、日本代表としての実績もある。

だから本音が飛び出しても説得力があります。

さらに本田の解説は専門用語だらけになりません。

戦術の話をするときも、

「ここ修正した方がいいですね」

「三笘さんに入ると何か起きる」

といった分かりやすい言葉で伝えます。

サッカー経験者だけでなく、普段あまり試合を見ない人でも理解しやすい。

そのバランス感覚も大きな魅力です。

知識と本音の両方があるからこそ、多くの人が聞き入ってしまうのでしょう。



「さん付け」が視聴者に刺さる本当の理由

実は、多くの人が評価しているのは「さん付け」そのものではないのかもしれません。

本当に支持されているのは、その一貫性です。

本田は現役時代から、自分の考えをはっきり発信してきました。

賛否はあっても、ブレない

だから視聴者は「また本田らしいことを言っているな」と自然に受け止められるわけですね。

もし普段は上下関係を重視している人が、解説だけ急に丁寧な言葉を使ったら違和感が出るでしょう。

 

しかし本田の場合は違います。

選手への敬意を示しながらも、プレーには厳しく意見を言う。

その姿勢に筋が通っています。

私は、視聴者が好感を持つ理由はここにあると思います。

人は言葉そのものより、「この人は本当にそう思っているのか」を見ています。

本田の解説には、その納得感があるんです。



本田節がW杯で中毒性を生むワケ

最後に見ておきたいのが、本田節の中毒性です。

W杯期間になると、「本田の解説で試合を見たい」という声が毎回のように上がります。

なぜここまで支持されるのでしょうか。

 

理由の一つは、視聴者と感情の温度が近いからです。

ゴールが決まれば興奮する。

ミスが出れば悔しがる。

審判の判定に納得できなければ不満も漏れる。

まるで友人と一緒に観戦しているような感覚があります。

 

一方で、感情論だけでは終わりません。

次の展開を予測したり、戦術面を分かりやすく解説したりもします。

だから聞いていて飽きないのです。

考えてみれば、「三笘さん」と丁寧に呼んだ直後に「うざいわー」と感情を爆発させる解説者はそう多くありません。

丁寧さと熱さ。

理論と感情。

敬意と本音。

本田の解説が面白いのは、この相反する要素が不思議なほど共存しているからでしょう。

だからW杯が来るたびに、「また本田の解説が聞きたい」という声が繰り返し上がるのかもしれません。

単なるサッカー解説者ではなく、一緒に試合を見ている感覚を作り出せる存在。

それが、本田圭佑の解説が持つ最大の魅力ではないでしょうか。