「万博パビリオンって、終わったらどうなるの?」
そんなふうに気になったこと、ありませんか?
2025年の大阪・関西万博では、たくさんのパビリオンが建ち、未来を感じる展示が訪れた人をワクワクさせています。
でも、あれだけ大きな建物たちが会期終了後にどこへ行くのか、なかなか知られていません。
実はそこには、「終わり」ではなく「新しいはじまり」につながるストーリーがあるんです。
この記事では、万博終了後のパビリオンの行方や再利用の事例などを、ご紹介します。
「また見たいな」と思った、あの建物や展示。
もしかすると、別の場所であなたを待っているかもしれません。
万博パビリオンは仮設建物?大屋根リングはどうなる?
2025年開催の大阪・関西万博。
会場には、未来的なデザインのパビリオンがズラリと並びました。
でも、そのパビリオンたちは、実は原則として「仮設建物」として建てられているのをご存じですか?
世界の万博では、開催が終わるとパビリオンは撤去されるのが基本なんです。
私は初めてそれを知った時は「えぇぇー!勿体ない!」と衝撃を感じました。
万博が半年間という短い期間だから尚更そう思ってしまいます。
この「SDGs(エスディージーズ)」が定着しつつある社会で、あんなに巨大な建物や展示を簡単に撤去してしまうなんて、どういうこと!??という考えは私だけではないはず。
その後の撤去が気になって調べてみると、大阪万博では例外も存在するというのが分かり詳しく、まとめてみました。
まずは会場の中心にそびえる今回の万博の象徴「大屋根リング」。
私も圧倒的な存在感とデザイン性に「万博にきたーー」という強烈な思い出が残りました。
万博を訪れた人達は皆カメラのファインダーを覗き大屋根リングを写真に収めたんじゃないかなぁと思ってます。
今年の年賀状の写真は「大屋根リングとのショット」をという人多そうですよね(笑)

この大屋根リング、万博閉幕後に北東部分の約200メートルを残し、大阪市が周辺を市営公園として整備することに決まっているそうです。
一部分の保存となるようですが、モニュメントのような形になってまた訪れる事が出来ると思うと嬉しいですよね。
多くの人を魅了した「大屋根リング」。
どうにか全体を残して欲しいという声も一部で上がっているようで、大阪市の高校生が発起人となっている署名活動のプロジェクトも行われているようです。
気になる方はこちらの大屋根リング全残しProject覗いてみてください。
ちなみに、1970年大阪万博でのシンボルで万博公園にそびえたつ「太陽の塔」は当初は取り壊し予定だったそうです。
画像引用元 「太陽の塔」オフィシャルサイト
それが市民の署名活動によって保存が決まったというエピソードを私は最近知りました。
なんだか鳥肌が立つような、万博に魅了された当時の人たちの熱意を感じて感慨深い気分になります。
はたして大屋根リングはどうなるのか、今後の行方が気になってしょうがないです。


それ以外の多くの建物は、会期終了後に展示品の搬出を終えたあと、順次解体される予定です。
正式な開始日は発表されていませんが、撤去はスムーズに進められる見込みです。
出展国が自前で建てた海外パビリオン(タイプA)については、出展者自身が費用を負担し、敷地を返還しなければいけません。
そして、最終的な撤去完了の期限は2027年3月末とされています。
「せっかくの万博なのに、全部なくなっちゃうの?」
そう感じる人も私同様多いと思います。
そんな中で注目されているのが、建物や展示の「リユース(再利用)」です。
大阪・関西万博では、使い捨てにしない万博を目指しており、パビリオンや設備を別の場所で活かす取り組みが進んでいます。
「ミャク市!」というリユースマッチングサイトでは、企業や自治体に向けて建材や展示物の提供も行われています。
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とはいえ、課題も多くあります。
移設にかかる費用や土地の確保、搬送の手間などから、再利用できるのは全体の約2割(約15館)が目標とされています。
それでも、「終わったら壊すだけ」ではなく、「次へとつなげる万博」という価値ある挑戦が、静かに動き始めています。
万博終了後はどうなる?
万博の閉幕は2025年10月13日。
その日をもって会場はひと区切りを迎えます。
でも、そこからが本当の“始まり”でもあるんです!
会場のあった夢洲(ゆめしま)では、終了後に本格的な再開発がスタートします。
このエリアは、「Smart Resort City(スマートリゾートシティ)」として生まれ変わる予定です。
注目すべきは、ここに建設されるIR(統合型リゾート)。
カジノを含むホテルや国際会議場、商業施設などが一体となった観光拠点が構想されています。
大阪にカジノ?!という当初から話題が絶えなかった印象ですが、そもそも日本にカジノというのが私は未だに想像がつかないです。
映画のオーシャンズ11しか思い浮かばないほどなので、私には無縁かなと感じるところですが・・・皆さんは行ってみたいと思われるのでしょうか?
万博からIRへ、夢洲は国内外の人々が集まるエリアとして今後の発展が期待される事は変わりないのかと思います。
アクセスに関しては現在はOsaka Metro中央線が通っていますが、今後はJRの延伸も検討されています。
交通の便がよくなれば、観光にもビジネスにもさらに便利になりますよね。
また、万博のために整備された電気・上下水道・道路などのインフラもそのまま活用される計画です。
再開発に伴い新たな雇用やサービスが創出され、地域全体の活性化が進んでいくでしょう。
さらに、サウジアラビア館は大阪市内で「Arab Breeze(アラブブリーズ)」というカフェとしての再活用が構想されています。
ここでは中東の文化体験ができるだけでなく、2030年のリヤド万博の情報発信拠点としても注目されています。
まだカフェの詳細は明らかにされていないようですが、インスタで情報発信されてます。
中東料理やカフェについて色々コメントや思いを届けてほしいそうです。
万博のレストランを担当されたシェフのメッセージもみることができますので、気になる方はチェックしてくださいね!
私は子連れ万博だったので、残念ながら正直グルメは楽しめなかったんです。
世界の色んな料理や味を堪能したかったなぁ・・・という不完全燃焼だったのでこちらのカフェ、オープンしたら絶対訪れます!!

大阪・関西万博は“終わって終わり”ではありません。
そのあとの展開にこそ、未来につながる価値が込められているのです。
再利用される建物と展示例
閉幕後、すべてが壊されるわけではないことが分かり、じゃあどのパビリオン・展示が再利用されるのかをご紹介!
注目を集めているのが、オランダ館。

独特のデザインが印象的でしたが、兵庫県淡路島のパソナグループの敷地に移設される予定です。
オランダ館は当初から資材の再利用を前提に建てられており、ボルトで組み立てられる設計となっていたようです。
組み立て方などちゃんと考えられてたんだな~と勉強になります。
またパソナグループが万博に出展している独自パビリオン「パソナネイチャーバース」(パソナ館)も、閉幕後に淡路島に移設する計画となっています。

自然と調和した形で、地域活性のシンボルとして再活用されるのが期待されますね。
万博でアトムに会えた人も会えなかった人も淡路島に行くことで再会出来る楽しみがうまれましたね。
私も近い将来、成長した子供たちと一緒に淡路島観光に行こうという目標が出来ました!
また、いのちの未来館も、再利用が検討されています。
展示されていたアンドロイドは、京都府精華町に移設予定。
石黒浩教授が一部の展示を引き継ぎ、教育や研究の場で活用される構想です。


そして、大阪ヘルスケアパビリオンも見逃せません。
建物の一部は、2060年まで利活用される長期計画が立てられています。
医療・福祉関連の施設として、地域に貢献し続けるかもしれませんね。


話題を集めた「2億円トイレ」も、万博の終了後に姿を消すわけではありません。
最新の技術とデザインが詰まったこのトイレは、今後は大阪市内の公共施設「府立花の文化園」へ移設され、誰もが利用できる形で活用される予定です。
それにしても、万博のトイレはデザインがトイレらしくない箇所も多かった気がします。
迷う方いらっしゃいませんでしたか?
私は子供を連れてトイレを探しながら、「あれ!?この辺にあるはずなのに」とあまりにもトイレらしくない建物だったために通り過ぎてしまった経験をしました(笑)

建物の素材も、ただ廃棄されるのではなく活かされます。
たとえば日本館ではCLTパネルという木材を使っていて、解体後には別の建物へ転用される予定です。

CLTパネル
- 鉄やコンクリート並みの強度
- 軽くて地震にも強い
- 工場でパネル化して持っていける
- 木の温かみ・調湿性
- CO₂を減らすエコな建材
ドイツ館も、再利用可能な素材で造られており、展示に使われたマスコットは環境教育に活用される予定です。
サーキュラーちゃん、お顔はシンプルだけどなんだか印象に残るネーミングで、ピンクのほっぺたが可愛いなと思ってました。
今後も環境教育の場で活躍して欲しいと期待してます。


そして、多くのファンから熱い注目を集めているのが、ガンダムパビリオン。
現在、移設先は未定ですが、「残してほしい!」という声がSNSなどで続々と寄せられています。
私はもちろん主人もあまりガンダムについて詳しくなかったので、万博訪問前に初めてのガンプラに次男と挑戦しました。
やっぱり男の子心をくすぐるものがあったようで、万博にも連れて行ってました(笑)
実際に見てあまりの大きさにビックリしてポカーンと口を開けていた我が子達。
また再会の機会がある事を願って・・・。


その他にも、クラゲ館が広島県福山市に移設予定だったり、日本の色んな箇所で万博を感じられる事ができそうです。
そのうち万博の跡をたどるツアーなど、どこかの旅行会社で企画されそうですね~!

使い終わったら終わりではなく、次へつなぐ。
これが、2025年万博が目指した“未来社会”の姿なのかもしれません。
最新情報は、関西・大阪万博公式ホームページやミャク市!で更新されているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
まとめ
あの時、目を奪われたパビリオン。
胸が高鳴った未来の展示。
大阪・関西万博での体験は、きっと多くの人の心に残っているはずです。
私も今まで見たこともない建造物や展示に目をキラキラさせていた子供たちの姿が目に焼き付いてます。
閉幕を寂しく感じるのは、それほど楽しく魅力的な時間だったからだと思います。

万博は終わっても、私たちの思い出と未来はつながっているのかもしれません。
あの日見た風景を、またどこかで。
私も成長した子供たちと思い出を語り合えるような万博の風景に、いつか再会したいと願っています。