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ノンバイナリーの芸能人は?公表理由や影響も紹介!

2025年12月、あるニュースが注目を集めました。

7人組ガールズグループ「XG」のCOCONAさんが、自身の性自認がノンバイナリーであると公表。

そのインスタ投稿には、たくさんの「ありがとう」の声が集まりました。

では、他にもノンバイナリーを公表している芸能人には、どんな人たちがいるのでしょうか?

ここでは、日本と海外で活躍する著名人をピックアップしてご紹介します。

 

ノンバイナリーの芸能人たち

最近では、テレビやSNSなどのメディアを通じて、自分のジェンダーについてオープンに語る芸能人が増えてきました。

そのなかでも、「ノンバイナリーである」と自ら言葉にした人たちは、ただのカミングアウトにとどまらず、社会に新しい視点を投げかける存在になっています。

ここでは、日本と海外それぞれのシーンで注目を集めた、ノンバイナリーを公表した芸能人たちをご紹介します。

宇多田ヒカル

2021年にインスタライブで「ノンバイナリーにあたると思う」と発言。

自然体な言葉に、共感のコメントが多数寄せられました。

井手上漠

モデル・タレントとして大活躍中。

ジェンダーレスとして知られていますが、自身はノンバイナリーであると明言。

性別にとらわれない美しさが魅力です。

西村宏堂

僧侶でありながら、メイクアップアーティストとしても活動。

仏教の世界でノンバイナリーを公表し、伝統と多様性の融合を体現しています。

小田切ヒロ

2025年7月のテレビ番組でカミングアウト。

「男でも女でもない真ん中にいたい」と語り、ジェンダーフルイドな一面を見せました。

COCONA(XG)

2025年12月6日、20歳の誕生日にあわせて公表。

胸の手術も受けたことを明かし、性別にとらわれない生き方を示しました。

 

海外の芸能人たち

Sam Smith

2019年にノンバイナリーを公表。

代名詞をthey/themに変更し、音楽でもトランスコミュニティへの支援を続けています。

Demi Lovato

2021年に告白。

精神的な葛藤と向き合う過程で、自身のジェンダーを見つめなおしたと語っています。

Janelle Monáe

2022年4月、Red Table Talkで公表。

音楽でも映画でも、多様なジェンダー表現を体現するアーティストです。

Asia Kate Dillon

ドラマ『ビリオンズ』でノンバイナリー役を演じ、本人もカミングアウト。

この動きは、Independent Spirit Awardsなど他のアワードのジェンダーレス化を後押ししています。

 

公表理由と社会的インパクト

芸能人たちは、なぜあえて自分の性自認を公表するのでしょうか?

「隠して生きるのがしんどかった」

「誰かの勇気になりたい」

そんな想いを語る人が多くいます。

たとえば、COCONAさんは「これは私の新しい章の始まりです」と公表投稿で伝えました。

じぶんのほんとうを隠さずに生きたいという願い。

それは当たり前のようで、なかなかむずかしいことですよね。

カミングアウトには、批判や誤解のリスクもあります。

それでも伝える理由は、「社会を少しでも変えたいから」。

 

海外のAsia Kate Dillonさんは、「男優」「女優」という区分に異議を唱え、業界の制度そのものに問題提起をしました。

声をあげることが、制度や意識の変化につながっていく。

そんな前向きな連鎖が、すこしずつ広がっているのです。

 

ノンバイナリーと診断方法とは?

ノンバイナリー(non-binary)とは、「じぶんの性別を“男”や“女”のどちらかに当てはめたくない」と感じている人のことです。

性別をふたつに分ける考え方、いわゆる性の二元論にあてはまらない、その“あいだ”や“どちらでもない”という感覚を持つ人たちです。

たとえば──「女の子っぽい服も男の子っぽい服も好き」「自分を“彼”とか“彼女”って呼ばれると、なんとなく違和感がある」などの気持ちに心当たりがあるなら、あなたもノンバイナリーという言葉に、なにかヒントがあるかもしれません。

 

ただし気をつけたいのは、ノンバイナリーはファッションやブームではないということです。

じぶんの内面からくる、深いジェンダー感覚なんです。

 

「ノンバイナリー診断」ってあるの?

ネットでよく見かける「ノンバイナリー診断」は、どあそび感覚で楽しむ自己チェックがほとんどです。

たとえば「uQuiz」や「診断メーカー」などで

  • 「スカートとズボン、どっちがしっくりくる?」
  • 「胸が大きくなったらいや?」
  • 「自分のことを男・女、どっちだと思う?」

などの質問にこたえる形式です。

ですが、これらはあくまでも参考程度。

診断結果で「あなたはノンバイナリーです!」となっても、それが確定ではないことを覚えておいてください。

心療内科やカウンセリングをうける

もし「この感覚をちゃんと整理したい」「誰かに相談したい」と思ったら、LGBTQ+に理解のある心療内科やカウンセリングを受けるという選択肢もあります。

一部の精神科では、

  • 性別違和(Gender Dysphoria)
  • 性別違和NOS(その他)

といった診断名で対応してくれることもあります。

ただし、これはすべての病院で受けられるわけではありません。

また、診断をもらっても、日本では制度上の限界があります。

たとえば、戸籍上の性別は「男・女」しか選べないこと、ノンバイナリーのままでは性別変更できないこと、パスポートの「X性別」は日本国籍では今も選べない(※一部の海外在住者をのぞく)という現状があります。

 

ノンバイナリーの人たちはどうしているの?

多くのノンバイナリー当事者は、じぶんで名のり、じぶんらしい表現をしながら生きています。

服装、名前、代名詞などで工夫したり、「男性的」「女性的」という枠を気にせず、自分らしくいられる方法を探しています。

だれかに証明してもらう必要なんて、ほんとはどこにもないのかもしれません。

 

それはとても個人的なことであり、大切な自己表現です。

そして、自分自身を知ることや、尊重されることこそが、いちばんのスタートラインではないでしょうか。

日本社会にもじわじわと広がる変化

2025年現在、日本ではノンバイナリーの法的認知は進んでいませんが、社会の“温度”は少しずつ変わりつつあります。

企業や大学の一部では、「性別欄を空欄にできる」「Xジェンダーを選べる」といった柔軟な対応も始まっています。

また、テレビ番組やCMでも、ジェンダーに中立的なファッションやキャラクターが少しずつ増えてきました。

COCONAさんのような若い世代のカミングアウトが、「自分も言っていいんだ」と思える空気感を作り出しているのは確かです。

 

最後に:声を上げるというのはどういうことなのか

ノンバイナリーを公表することは、決して簡単なことではありません。

でも、それを選んだ人たちは、自分を守るため、誰かを救うため、そして社会を少しでも変えるために、その道を歩んでいます。

あなたの身近な誰かも、もしかしたらそう感じているかもしれません。

カミングアウトする人、しない人、それぞれの選択が尊重される社会であってほしいですね。

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