2025年12月27日、サウジアラビアで行われる予定だったIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ。

日本のボクサー、寺地拳四朗選手が挑むはずだった試合が直前で中止となりました。

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多くのファンが「不戦勝になるのでは?」と疑問を抱いた今回の件について、ボクシングのルールに基づき、わかりやすく解説していきます。

試合が中止になったのに「勝ち」にならない理由とは?

結論:試合が成立していないから勝敗もつかない

ボクシングでは、試合が正式に開始されて初めて勝敗が記録されます。

相手が欠場して試合自体が成立しなかった場合は、「勝ち扱い(不戦勝)」にはなりません。

画像引用:デイリースポーツ

寺地拳四朗選手の試合中止の概要

  • 日時:2025年12月27日(日本時間)
  • 場所:サウジアラビア・リヤド
  • 相手:ウィリバルド・ガルシア選手
  • 理由:前日計量後、ガルシア選手が急性胃腸症状で入院
  • 結果:現地コミッションの判断で試合中止、代替試合も行われず

不戦勝とは?ボクシングでの定義を解説

ボクシングで「不戦勝」となる主な条件

「不戦勝(Walkover)」が成立するには、以下のような条件があります:

  • 相手が試合を放棄してリングに現れない
  • 計量失格(体重超過など)で出場不可
  • 健康検査での失格(ドクターストップ)

これらはすべて「試合成立前のルール違反」であり、対戦相手が自ら出場の機会を放棄または失った場合です。

試合中止が不戦勝とならない理由

今回のように、相手が体調不良で出場できないという状況は「不可抗力」による中止とみなされます。

つまり、ルール違反ではないため、不戦勝とはならず「ノーコンテスト(No Contest)」扱いとなります。

ノーコンテストとは?その意味と適用例

ノーコンテストの定義

ノーコンテスト(No Contest)は、「試合が正式に開始されなかった」または「アクシデントにより続行不可能になった」場合に適用されます。

勝敗や戦績は記録されません。

ノーコンテストになる主なケース

  • 急病や事故など、選手の責任ではない中止
  • 天候や設備トラブルなど外的要因による中止
  • 試合中に偶発的なアクシデントが起こり、ラウンド数が基準未満で中止

今回のケースもノーコンテスト

ガルシア選手の体調不良は、計量後に突然発症したものであり、本人にも過失はありません。よって、ボクシングルールに則って「ノーコンテスト」とされました。

 

なぜ「不戦勝じゃないの?」という声が出るのか

寺地選手が何も悪くないのに…という感情

寺地選手は:

  • きちんと減量して計量に合格
  • 戦う準備をしていた
  • 3階級制覇がかかった重要な試合だった

それにもかかわらず、勝ちも戦績も記録されないため、ファンから「かわいそう」「報われない」といった声が出るのは自然です。

画像引用:THE ANSWER

それでもルールはフェアを優先

ボクシングは「公平性」が重視されるスポーツです。

勝敗はリング上で決着するべきという考えのもと、相手に明確な過失がない限り、不戦勝とはなりません。

 

寺地拳四朗選手の今後に期待

3階級制覇への挑戦はお預けに

今回の試合中止により、寺地選手の3階級制覇は一旦延期となりました。

ただし、IBF側や関係者の意向次第では、再戦や代替挑戦のチャンスが設けられる可能性もあります。

画像引用:産経ニュース

寺地選手の前向きなコメント

会見で「悔しいけど腐らずまた頑張る」と涙ながらに語った寺地選手。

次のチャンスに向けて、気持ちを切り替えているようです。

まとめ:不戦勝ではなくノーコンテストが適用された理由

  • 不戦勝: 相手のルール違反・失格で試合前に決着がつく
  • ノーコンテスト: 試合が成立せず、勝敗も戦績も記録されない
  • 今回のケース: 相手の急病による欠場 → ノーコンテスト扱い

ボクシングファンとしては残念な結果ではありますが、これはルールに基づいた正当な判断です。寺地拳四朗選手の再挑戦を楽しみに待ちましょう!